「サヤ取り」は別名
ペアトレード・裁定取引・アービトラージなどといわれ
「世界三大利殖」の一つとされ、
投資のプロである機関投資家などが活発に行っている手法です。
ユダヤ系英国財閥のロスチャイルド家や山種証券(現SMBCフレンド証券)の創始者であり伝説の相場師と呼ばれた山崎種二氏が「サヤ取り」で巨万の富を築きました。
個人投資家の多くの皆さまがおこなっている株式投資は、
値上がりが見込める株を安く買い高値で売るか、
または値下がりが見込める株を高く売り安値で買い戻して、
各々の差額を利益とすることでした。
これを片張り投資と呼び、情報収集と分析をして、
これから株価が上がるか下がるかを予測して取り組むわけですが、
これがなかなか思惑通りいきません。
堅実で最適な投資法が「サヤ取り」なのです。
サヤ取りとは、よく似た動きをする銘柄をペアにして、
一方を買い、もう一方を空売りするを同時におこなう投資法です。
これを両張り投資とも呼び、常にヘッジ(保険)がかかった状態になり、
株価の上昇、下降によるリスクを排除できます。
利益は、2つの銘柄の価格差(サヤ)を取ることで得られます。
株価が上がっても下がっても
利益を出すことができ、
安全な株式投資ができます。
株価チャートを比較してみると、長期にわたり非常によく似た動きをする(相関性が高い)銘柄がいくつかあります。
しかし、常に同じ比率で動いているわけではありません。
2つの銘柄の価格差(サヤ)が大きくなったり小さくなったりを繰り返しています。
例えば
下の図のように、ある時点でA社の株価が900円、B社の株価が600円となり、一時的に両社のサヤが300円と大きくなりました。
サヤ取りのチャンスです!
この段階で株価が上がるか下がるかわかりませんが、
「A社を900円で空売り」し、「B社を600円で買い」を
同時に行います。
数日後、相場が下がりA社が600円、B社が500円にそれぞれ値下がりました。
この時、サヤが元の水準の100円にもどったので、同時に反対売買をします。
ここで着目するのは2銘柄間のサヤです。
300円あったサヤが元の水準の100円にもどったので手仕舞いをしました。
結果は、
サヤが縮小した分の200円がサヤ取りの利益という事になります。
2つの銘柄が、同じように値下がりしたにも関わらず、サヤ取りでは利益を出すことができます。
では、株価が上がっていたらどうなっていたでしょうか。
数日後、相場が上がりA社が1000円、B社が900円にそれぞれ値上がりしました。
この時も、サヤが元の水準の100円にもどったので、同時に反対売買をします。
株価が上がった場合もいっしょで、
300円あったサヤが元の水準の100円にもどったので手仕舞いをしました。
サヤが縮小した分の200円がサヤ取りの利益という事になります。
このように、株価が上がっても、下がっても利益がでます。
サヤ取りでは、利益に関する考え方が根本的に違います。
売った時の株価、買った時の株価はいくらでも構いません。
どんな相場になろうと問題ありません。
また、将来の株価も予測する必要がありません。
着目するのはサヤの動きだけです。
相関性の高いペアは、サヤが一時的に大きくなっても、元の水準にもどる確率が非常に高いので、そこを狙って仕掛けるわけです。
2つの銘柄のサヤが縮小すれば利益になります。
1.ズバリ!ローリスクです。
常にヘッジ(保険)がかかった状態で取引しているので、相場がどれだけ乱高下しようともほとんど影響がない。大損することがなく、安定している。
2.勝率が高い
相関性のあるペアの拡大したサヤは縮小する確率が高い。
1回の利益は片張りにくらべ少ないが、回数を重ねることで利益が蓄積していく。
3.過大な周辺知識を必要としない。
市場の分析や、会社の業績調査、テクニカル分析などの作業は一切必要ありません。初心者の方でも取り組むことができます。
4.心理的負担が少ない
株価のアップダウンに一喜一憂することがなく、精神的に楽な取引ができます。
5.どんな相場でも利益が出せる
上昇相場でも下降相場でも利益を出すチャンスがありますので、いつでも取引ができます。
6.パソコンに張り付く必要がない
細かな値動きを気にする必要が無いので、仕事をもちながらでもできます。
7.普遍的な手法
一過性の手法はなく、歴史が証明しており、理論的で長期にわたり取り組める
一度習得すれば一生ものの利殖術となるはずです。
片張り投資法はとても危険です。
将来の値動きを予想することが、いかに難しいことか・・・
はっきりいって誰にもわかりません。
必死で予想しても、なかなか当たるものではありませんし
むしろ思惑とは逆の展開になることの方が多いのです。
サヤ取りはそのような非効率な作業をする必要がありません。
サヤが拡大 しているかどうかを判断すればいいのです。サヤが拡大して縮小に向かいそうな時に仕掛けて、利益が出たところで手仕舞いします。
損を減らしてコツコツ儲けたい、
サヤ取りはそんな堅実な方に最適な投資法です。